CAD/CAMを用いた修復物の作成

このたび、小川歯科医院ではCAD/CAMを用いた修復物の製作を平成25年7月より開始しました。CAD/CAMとは”computer aided design/computer aided manufacture”直訳すると「コンピュータ支援デザイン/コンピューター支援製造」です。

歯科の分野では、歯科技工士が蝋を使って歯をデザインし、その蝋細工の鋳型を作って、その鋳型に金属を溶かして流し込んでクラウンやブリッヂ等を作っています。云わば「アナログ」です。よって、製造物は技工士の技量や知識・経験に大きく左右されます。

 

現在、この歯科技工の分野が世の中から遅ればせながらIT化されようとしています。

今まで技工士が手作業で作っていた蝋細工をパソコンの画面上で疑似的に作り、それをコンピュータ制御のドリルでセラミックやチタンの塊から削りだして実物にするのです。

生産コストも機械化によってかなり安くすることができるので、オールセラミックの歯を従来よりかなり安価に提供することができます。また、従来のように陶材を盛り足して焼くわけではなく、ブロック体のセラミックの塊から削り出すので、気泡が入っていないためその分、壊れにくいものとなります。金属の修復物もインプラントの原料であるチタン(生体への適合はいいが加工が難しい金属)の塊から削り出して製作します。

 

しかし、従来の方法で可能であった微妙な色の調整やグラディエーションは削り出しでは作ることができません。また、特殊な形態の云わば特注の歯も作ることができません。コンピュータなので融通が利かないのです。ただ、まだ始まったばかりのIT化なので今後どんどんバージョンアップしていくことが考えられます。

 

下の写真はそれぞれの機械とその役割です。


かたどりしてできた石膏模型をこの機械でスキャニングしてコンピュータに取り込みます。


取り込んだ模型をこの画面上で表示し、歯のデザインを行います。


出来上がったデザインをこの機械を使って材料の塊から削り出します。


この機械はカボ(KaVo)という歯科メーカーの機械です。カボ社は歯科のメーカーでは世界のトップブランドです。歯科に限らずグローバル化が進む中で資金力があり研究開発に資金をつぎ込むことができるメーカーが今後ますます台頭してくると考え導入に至りました。

以下にこの機械「アークティカ」のプロモーションフィルムを掲載しておきます。