歯ぎしり

 「歯軋り」という行為は口の中にとって何一つメリットはありません。もし、鏡を見て下の前歯の先端が磨り減っていたら、歯軋りをしている可能性があります。歯軋りを直接なくしてしまう治療法はありません。なぜなら患者さん本人が就寝中に行われる行為だからです。起きている間にやっていることであれば、本人に意識してもらいさえすれば、おそらく止めさせることができるでしょう。しかし、寝ている間に行われることなのです。言い換えると、意識してもらうことができない間に行われることなのです。

 

 そもそも、「歯軋り」は何の為に行われるのか?実はよくわかっていません。ただ、身体的、肉体的なストレスと関係があるのでは、といわれています。ストレスは脳の海馬という組織に影響を及ぼすと言われています。その海馬に蓄積したストレスを解消する為の行為のひとつに「歯軋り」があると考えられています。そうであるならば、仮に「歯軋り」を止めさせることができたとしても、ストレスの解消ができなくなり他の身体的問題が起こってくるかもしれません。

 

 では、どうするべきなのか?小川歯科医院での「歯軋り」に対する処置は、対処療法を行います。「歯軋り」をやるのは仕方ないと考え、その影響を最小限に抑えることを主たる目的に治療を行います。具体的には、ナイトガードというマウスピースを夜間に装着することで「歯軋り」によって発生する応力を軽減させます。

 

 「歯軋り」を放置しておくと歯軋りの応力により、歯周組織が破壊されたり、過去に神経を取った歯であれば割れてしまったり、日々の磨耗によって歯の神経が露出して痛みが出たり、歯と歯茎の境目(歯頸部)部分がえぐれてきたり、何一つ口の中にとっていいことはありません。自覚がある方は勿論、下の前歯の先端が磨り減っている方、糸切り歯近辺の歯の根元が極端にえぐれている方、歯科医院で一度相談されたほうがいいと思います。

 

2016年追記

 歯軋りの治療方法として「ボツリヌストキシン注射」を取り入れました。一般的には「ボトックス注射」として認知されています。ボツリヌス毒素を筋肉に注射することで筋肉を弛緩させる方法です。「歯軋り」の治療にはこれまでナイトガードというマウスピースを装着することで対処してきましたが、実際歯軋りをしなくなるわけではなく、した場合に緩衝する目的で行われる「対処療法」でした。対してボツリヌストキシン注射は原因の筋肉自体を弛緩するのでとても有効です。しかし、この注射自体の効き目が6っヶ月から1年ぐらいしか持続しないので、効果がなくなるとまた注射をしなければなりません。

 ボツリヌストキシン注射には副産物があって、エラの縮小による小顔効果が期待できます。実際行った患者さんはエラ部分の「力こぶ」が縮小することを実感していただけると思います。詳しくは来院時にお尋ねください。